こんにちは。
年齢を重ねると「夜中に何度も目が覚める」「寝つきが悪い」「朝すっきり起きられない」──
そんな睡眠の悩みをよく耳にします。
実際、厚生労働省の調査では、60歳以上の約4割が「不眠の症状」を感じているといいます。睡眠は「休養」だけでなく、免疫力や記憶力を保つうえでも欠かせないもの。だからこそ、シニア世代にとって「眠りの質」を整えることは健康寿命を延ばす重要な習慣なのです。
今日は、医学的なエビデンスに基づいた「シニア向け快眠法」と、建築士としての「眠れる住環境の工夫」を交えてご紹介します。
1. シニアが眠りにくくなる理由
まず、なぜ年齢とともに睡眠の質が落ちるのか。その背景を知ることが大切です。
主な要因
- 体内時計の変化
加齢とともに「メラトニン(眠りのホルモン)」の分泌が減少し、眠りが浅くなりやすい。 - 筋力・体温調節の低下
寝ている間に体温を下げられず、途中で目が覚めやすくなる。 - 生活習慣やストレス
昼間の活動不足や孤独感も睡眠の質を下げる原因に。
👉 「年のせいだから仕方ない」と思われがちですが、工夫次第で改善できます。
2. 科学が証明する「快眠習慣」
ここからは、研究で効果が証明されている方法をご紹介しましょう。
① 朝の光を浴びる

- スタンフォード大学の研究では、朝の自然光を20分浴びた高齢者は、入眠までの時間が短くなり、夜間覚醒も減少。
👉 朝起きたらまずカーテンを開け、外の光を浴びることが「夜ぐっすり眠る準備」になるのです。
② 適度な運動
- 厚労省ガイドラインによると、日中に軽い運動(ウォーキングや筋トレ)を行ったシニアは、深い睡眠が増える傾向。
👉 第3回で紹介した「椅子トレーニング」を日課にするのも効果的です。
③ 呼吸法や瞑想

- ハーバード大学医学部は、寝る前に呼吸法を取り入れた高齢者グループが、入眠時間を短縮し、睡眠時間が平均40分延びたと報告。
👉 深呼吸やマインドフルネスを「寝る前の儀式」にするのがおすすめです。
④ カフェインとアルコールを控える
コーヒーや緑茶に含まれるカフェインは、半日以上体に残ります。午後の摂取は控えるのが無難です。
3. 睡眠と住まいの関係

ここからは建築士としての「眠れる住環境」の視点をお伝えします。
照明
- 明るすぎる寝室は、メラトニンの分泌を妨げます。
- 間接照明や暖色系のライトで「夜は眠る時間」と体に伝えましょう。
音
- 外の騒音や冷蔵庫のモーター音も熟睡を妨げます。
- 窓に遮音カーテンをつける、ベッドの位置を変えるだけでも効果あり。
温度と湿度
- 理想は 18〜22℃、湿度50〜60%。
- 夏はエアコンの除湿、冬は加湿器で調整しましょう。
※ただし、エアコンのドライ設定は機種によっては低冷房なので寒く感じるものもあるので注意しましょう。
寝具
- マットレスは「硬すぎず、柔らかすぎず」。
- シニアは体圧分散の高い寝具を選ぶと腰や肩の負担が減ります。
👉 「眠れないのは体ではなく、住まいが原因」ということも少なくありません。
4. シニアの声
快眠習慣を取り入れた方々の声をご紹介します。
- 67歳女性:「朝日を浴びて散歩するようになったら、夜の寝つきが良くなった」
- 72歳男性:「寝室に間接照明をつけてから、リラックスして眠れるようになった」
- 80歳女性:「加湿器を置いたら夜中に喉が渇かなくなり、朝まで眠れるようになった」
どれも「特別なお金や薬に頼らず」できる工夫です。
5. 続けるための工夫
睡眠改善は「習慣化」がカギ。
- 朝はカーテンを開ける
- 昼は軽い運動で体を使う
- 夜はスマホを寝室に持ち込まない
- 就寝前に深呼吸で心を整える
👉 毎日少しずつ積み重ねることが、自然に「快眠体質」をつくります。
まとめ
- シニアの睡眠の質低下は「年齢のせい」だけではない
- 朝の光、適度な運動、呼吸法など科学的に効果が証明された習慣で改善できる
- 住まいの照明・音・温度・寝具の工夫が眠りの質を大きく左右する
- 習慣+住環境改善で「ぐっすり眠れる毎日」を取り戻せる
眠りは「最高の薬」とも言われます。
転ばぬ先の筋トレと同じように、毎日のちょっとした工夫が、明日の元気をつくるのです。


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